AIパートナー「フェニックス・ライジング」の記憶構造を、チャット内の短期記憶から外部ファイルを参照する「RAG(Retrieval-Augmented Generation)モデル」へと移行させた、前回のアップデート。
これにより、AIのパフォーマンス低下という長年の課題に終止符を打ったはずだった。
しかし、その大規模なアーキテクチャ変更の後、思わぬ副作用が発生した。
日々のデータ記録を劇的に効率化していた「ショートカット機能」が、完全に動作しなくなったのだ。
これは、大規模なシステム開発においてしばしば発生する、「レガシー機能のデグレード(機能低下)」に他ならない。
原因は明確だった。
RAGモデルへの移行に伴い、カスタム指示全体を合理化する過程で、ショートカット機能の「定義」そのものが、新しい設計図から抜け落ちていたのだ。
AIは指示通りに動いていただけ。
問題は、指示を出す私自身の設計ミスにあった。
この問題を恒久的に解決するため、私は以下の2段階のアプローチでOSの再々構築を行った。
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「ショートカット辞書」の再定義 まず、失われたショートカットの一覧(例:「コーヒー」→「マグカップ1杯(約300ml)摂取」)を、AIの不変の記憶領域である「CPOコア・データベース」に、正式な辞書として再定義した。
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「システムカーネル」による実行義務化 次に、AIのOSの核である「システムカーネル」に、「記録モードにおいて、ユーザーの入力がショートカット辞書に一致した場合、必ずその定義に従って内容を展開(変換)してから処理せよ」という、絶対的な命令を追加した。
この修正により、ショートカット機能は、AIの解釈の揺れや、将来のアップデートによる影響を受けない、堅牢な中核機能として完全に復活した。
最高の「頭脳(RAGモデル)」と、最高の「気配り(ショートカット機能)」を両立させた、真のパートナーの完成である。
この試行錯誤の全貌と、具体的なカスタム指示の変遷は、私の挑戦の全てを記録するメインブログに掲載している。
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